【高周波用語集】同軸コネクタの基本構造

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同軸コネクタの基本構成

同軸コネクタは機能的に分類すると、主に4つの部分で構成されています。

名称 性能
中心コンタクト 電気的に接合される同軸の中心部となる箇所で、オス形状とメス形状があります。
シェル 同軸構造の外部導体に相当する部分と機器的にかん合するネジ部から構成されています。
プラグ側 (通常はオス)のシェルと、ジャック側(通常はメス)のシェルを接続ナットでかん合させ、
これにより中心コンタクトのオス、メス同士を圧接させ接続します。
接続ナット ラグ側のシェルに取り付け、ジャック側のシェルのネジにかん合させて固定する機能を持っています。
機械的に抜けないように保持リングなどで固定します。
保持リング 接続ナットの抜け止めの機能を持っています。

同軸コネクタの機械的保持構造

同軸コネクタは用途や周波数や特性インピーダンス等の違いにより種々の構造がありますが、オス(Male)、メス(Female)一対のコネクタを機械的に保持し、電極を圧接させる構造となっています。N形コネクタの、かん合状態を下図に示します。

コネクタ嵌合図

表-代表的なコネクタの種類と特徴

機器的保持構造 コネクタの種類 特徴
ネジかん合式 N形、TNC形、SMA形 機器的に安定な接続方法であるため、高周波特性の変動が
小さく多くのコネクタに採用されています。
プッシュロック式 SMB形、SML形 着脱は簡単ですが、構造上小型で一般的にはあまり抜き差し
しない用途に限られます。
バイヨネット式 BNC形 放送機器や計測器に多く用いられている方式です。コネクタを
侵入して半回転することにより固定できることから操作性が良く着脱
の耐久性にも優れているため、数多く使用されています。周波数が
1GHzを超える構造上の機械的なガタにより特性変動が起きる事があります。

同軸コネクタの特性インピーダンス

同軸コネクタを使用する際に、周波数が高くなって利用する同軸ケーブル長に波長が近づいてくると、インピーダンス整合を考慮しなければ接続点で反射がおき、反射損失(リターンロス)が生じます。従って、特性インピーダンスが75Ωの装置に50Ωの同軸ケーブルを接続することは機械的に接続できたとしても、同軸線路上には定在波が立ち負荷側には信号源からの信号が効率よく伝送されないこととなります。
BNC形やN形は見かけ上、機械的に接続できてしまいますが誤った使い方です。特に75ΩのN形コネクタは中心コンタクトが細いため、50ΩのN形プラグを誤って75ΩのN形ジャックに挿入するとコネクタが破損してしまいます。

同軸コネクタのメッキ(表面処理)について

同軸コネクタは金属同士を機械的に接触させ、高周波信号を伝送する構造になっています。
高周波信号は金属の中を一様に流れるのではなく、金属の表面の集中して流れる性質(表皮効果)があるため、通常は母材として加工しやすい材料を使用し、高周波信号が流れるその金属表面にメッキを施して要求される加工性、耐久性及び高周波特性を満足させています。このため、表面処理の特性や金属の性質を知っておく必要があります。
表-同軸コネクタに使用されるメッキ(表面処理)の種類

種類 特徴 主な用途
金メッキ 化学的にも安定で、耐久性に優れています。電気伝導率も銀、銅に次いで高いの
で接触抵抗が小さい接触部分に多く使用されていますが非常に高価です。
中心コンタクト、シェル
銀メッキ 伝導率が金属の中でも最も高いため、ロスが問題となる場所に多く使用されてい
るメッキですが、硫化により表面が変色しやすいという欠点があります。
中心コンタクト、シェル
ニッケルメッキ 耐久性に優れているため、接続ナットやシェルに多く使用されているメッキです。
金メッキの下地処理としても使用されます。
シェル、接続ナット
パッシベイト ステンレスは耐食性に優れています。これは表面に酸化膜を形成するためです、
加工工程でのゴミの付着や表面処理の状態が変化して錆びることがあり、メッキ
ではありませんが表面を硝酸等で不動態化(パッシベイト)させることにより耐食性
が大幅に向上します。
シェル、接続ナット

電食(電蝕)について

同軸コネクタの接合(コンタクト)部分に異種金属を使用した場合、2種の金属イオン化傾向が大きいほど電位差が生じ、負荷回路を通じて電流が流れています。特に高湿度の環境下では、水分の中に金属イオンとなって溶け出し、局部電池効果により腐食が生じてきます。これを電食といいます。
*イオン化傾向とは金属イオンになりやすい性質のことをいい、次のような傾向になっています。
K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>Cu>Hg>Ag>Pt>Au

同軸コネクタの締め付けトルク

同軸コネクタのオス、メスのかん合には接続ナットを相手方のネジに締め付けることによりコンタクト部分が機械的に相互に圧接され、電気的にも接合状態となります。
ねじの締結には接続ナットを手で締めるものと、スパナ掛けする構造のものがあります。手締めで良いものを工具で締め付けたりすること、コネクタのネジ山を潰したり、金属屑が出たり、極端な場合には接続ナットが抜けたりすることもあります。規定の締め付けトルクで正しく接続することが重要です。
この締め付けトルクはコネクタはコネクタの構造により異なりますので、締めすぎないようにトルクレンチなどを使用します。
表-同軸コネクタの締め付けトルク:参考値(保証値ではありません)

種類 締め付けトルク値(N・m)
SMA形 0.8~1.1
N形 0.7~1.1
TNC形 0.5~0.7

変換アダプタ

変換アダプタは異なる種類の同軸コネクタ同士を接続するためのアダプタですが、インピーダンス整合機能は有してません。例えば、75Ωと50ΩのBNCコネクタは機械的には接続可能ですが、BNC形75ΩからN形50Ωに変換アダプタのみを使用するとインピーダンスのミスマッチングが起き、正しい信号伝送ができません。
従って、50Ωまたは75Ω同士の変換のみに使用します。

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