【高周波用語集】同軸ケーブルとは

同軸ケーブルとは

正式名称を高周波同軸ケーブルと呼ぶように、高周波信号を効率良く負荷側に伝送する目的で利用されています。
効率良くという意味は、信号源の電力が負荷側に伝送ロスを最小にして、負荷側で反射が生じない条件で伝送するということなのです。

ある分布定数線路(無限線路を想定)には、均一に存在する固有のL,C,Rで構成されているとします。
その線路での特性インピーダンスZ0は伝送損失がないと仮定すれば

Z0=(L/C)1/2

であり、周波数に関係なく一定の値です。単位はΩ(オーム)となります。
この特性インピーダンスは分布定数線路のどこから見ても同じ値となります。

信号源から負荷側に、最大電力を伝送するための条件は、負荷側で反射を生じさせないこと、即ち、信号源インピーダンスと負荷側のインピーダンスが等しいことが必要です。
ところが、信号を伝送するためには、信号源と負荷の間に伝送線路が必要であるため、この伝送線路も同じ値の特性インピーダンス線路を使用する必要があります。
これをインピーダンス整合、またはインピーダンスマッチングと呼んでいます。

幸い、上記理由から、分布定数線路は周波数に関係なく、何処を切っても同じ特性インピーダンスなので、何Ωのインピーダンスマッチングをするかを決めれば、どういう伝送線路を使用するかが決まります。

同軸ケーブルの基本構造

通常、高周波機器間を接続するためには、取扱いし易い同軸ケーブルが使用されています。
同軸ケーブルは、構造的に、中心導体とその周りに絶縁体を配置し、さらにその外周に金属編組、または外部導体が取り囲む構造となっています。

同軸ケーブル

同軸線路の特性インピーダンスは、内部導体の外径をd、外部導体の内径をD、絶縁体の比誘電率をεrとしたとき、下記の式で与えられます。

Z0=(138/(εr)1/2)*log(D/d)

即ち中心導体の外形と、外部導体の内径で決まる比率が一定の場合は、同軸ケーブルのサイズには無関係に特性インピーダンスは一定となり、また比誘電率が大きいと特性インピーダンスは低くなります。 一般に絶縁体で使用される比誘電率は凡そ下記の値です。

・ポリエチレン:2.3
・テフロン:2.1

同軸ケーブルを使用する利点

同軸ケーブルは外部導体が中心導体を取り囲んでいる構造になっています。 伝送したい高周波信号は中心導体と外部導体間で伝播していきます。 外部導体は金属であることから外部への信号漏洩や外部からの電波の侵入がここで遮断されるため、これをシールド効果と呼んでいます。 同軸ケーブルはこのように、高周波信号を効率よく伝送すると共に、外来電波やノイズの影響を最小限にできるため、放送局、中継所、工場などで、また音声信号や映像信号からマイクロ波信号伝送まで、様々な場所や用途で使用されています。

同軸ケーブルの選び方

同軸ケーブルを選ぶにはまず特性インピーダンスを決める必要があります。 通常無線系の機器の特性インピダンスは50Ωが一般的です。 ところがテレビジョンやCATVの機器には昔から75Ωが使われています。 これは同軸ケーブルの絶縁体の開発の歴史にも関係しますが、一般の通信用途では50Ω系と75Ω系があるということを覚えておいてください。 このため、同軸ケーブルを指定する場合には次のような規格があります。

同軸ケーブルの呼称と標準的な規格

(本仕様は参考値ですので、詳しくはメーカーにお問合せ下さい)

・JISケーブル 5C-2Vの例

5 C 2 V
外部導体の概略内径(mm) 特性インピーダンスが
C: 75Ω
D: 50Ω
絶縁体が
2: ポリエチレン
F: 発泡ポリエチレン
外部導体が
B: アルミ箔付きプラスチックテープと導体編組
V: 一重導体編組
W: 二重導体編組
名称 中心
導体径(mm)
絶縁体外径
(mm)
仕上外径
(mm)
特性インピーダンス
(Ω)
波長短縮率
10MHz(%)
減衰量(dB/km)
1MHz 10MHz 30MHz 200MHz
1.5C-2V 0.26 1.6 2.9 75 67 73 96 145 393
2.5C-2V 0.4 2.4 4.3 75 67 17 52 93 251
3C-2V 0.5 3.1 5.8 75 67 13 42 73 194
3C-2W 0.5 3.1 6.5 75 67 13 42 73 194
1.5D-2V 0.54 1.6 2.9 50 66 24 85 145 415
2.5D-2V 0.8 2.7 4.3 50 66 13 45 80 226
3D-2V 0.96 3.0 5.3 50 66 15 47 8 219
3D-2W 0.96 3.0 6. 50 66 15 47 82 219

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