リターンロスとは
リターンロスとは、読んで字の如く反射損失のことです。例えば、ある装置に高周波信号を供給しようとする場合一般的にはコネクタ付き同軸ケーブルで接続します。
この時、伝送路は同軸ケーブルを介して同軸コネクタという接続点が出来ます。当然同軸コネクタもインピーダンスマッチングされているものですが、ミクロ的に見れば接続点は境界面にあたり、この点でインピーダンスの不連続点が起きるのです。このような不連続点は同軸コネクタとプリント基板の接合部でも起きます。従って、この電気的な不連続点を最小にすることが求められるのです。
この伝送路に信号を印加すると、この接続点で反射が起き信号の一部は信号源側に帰っていきます。
この入射波と反射波の比をデシベルで表したものがリターンロスとなります。
この入射波と反射波は同一周波数なので位相が一致すると定在波が立ちます。
そのときの最大振幅と最小振幅の比をVSWR(電圧定在波比)と呼んでいます。
リターンロスとVSWR,反射係数の関係
Return Loss=20log10(VSWR+1/VSWR-1) (dB)
VSWR=(10R.L./20+1/10R.L./20-1)
反射係数|Γ|=(VSWR-1)/(VSWR+1)
|Γ|=(Zi-Zo)/(Zi+Zo)
Return Loss(dB) | 電圧定在波比(V.S.W.R) | 反射係数(Reflection Coeff.) |
---|---|---|
60 | 1.002 | 0.001 |
50 | 1.006 | 0.003 |
40 | 1.020 | 0.01 |
35 | 1.036 | 0.018 |
30 | 1.065 | 0.032 |
29 | 1.074 | 0.036 |
28 | 1.083 | 0.040 |
27 | 1.094 | 0.045 |
26 | 1.106 | 0.050 |
25 | 1.119 | 0.056 |
24 | 1.135 | 0.063 |
23 | 1.152 | 0.071 |
22 | 1.176 | 0.079 |
21 | 1.196 | 0.089 |
20 | 1.222 | 0.1 |
19 | 1.253 | 0.112 |
18 | 1.288 | 0.126 |
17 | 1.329 | 0.141 |
16 | 1.377 | 0.159 |
15 | 1.433 | 0.178 |
14 | 1.498 | 0.200 |
13 | 1.577 | 0.224 |
12 | 1.671 | 0.251 |
11 | 1.785 | 0.282 |
10 | 1.925 | 0.316 |
9 | 2.100 | 0.355 |
8 | 2.329 | 0.398 |
7 | 2.615 | 0.447 |
6 | 3.010 | 0.501 |
5 | 3.569 | 0.562 |
4 | 4.420 | 0.631 |
3 | 5.847 | 0.708 |
2 | 8.723 | 0.794 |
1 | 17.399 | 0.891 |
0 | – | 1.0 |
高周波用語集》
デシベル計算|減衰器|固定アッテネータ抵抗値表|終端器、抵抗整合器|アンプの用語解説|物理定数|周波数と波長|表皮効果(Skin Effect)|損失|リターンロス・VSWR分配・合成|同軸切換器|同軸ケーブル|同軸ケーブルの呼称と標準的な規格|同軸コネクタ|同軸コネクタ基本構造|雑音指数|インピーダンスマッチング(インピーダンス整合)