周波数(f)とは
ここではまず周波数の概念を考えてみます
仮に図のような交流信号があったとします。
単位時間Tの中に何周期あるかをカウントしたものが周波数の概念です。
通常は単位時間を1秒としてその中に何周期の繰返しがあるかということで周波数を決めており単位はHzを使用します。
1秒間に1回の繰返し周期であれば、1Hzです。
1,000回の繰返し周期であれば、1000Hz=1kHzとなります。
通常使用する単位としては以下の通りです。
1THz(テラヘルツ)=1000GHz(ギガヘルツ)=1,000,000,000,000Hz
1GHz=1000MHz(メガヘルツ)=1000,000,000Hz
1MHz=1000kHz(キロヘルツ)=1000,000Hz
1kHz=1000Hz(ヘルツ)=1,000Hz
波長(λ)とは
波長は電磁波を扱う上では非常に重要なファクターです。
上記の図でまず1周期を考えてみます。周波数が高くなれば単位時間の繰返し数がその数だけ増加します。
ということは1周期の時間が短くなるということです。例えば、2Hzは1Hz の1/2の繰返し時間となります。
それでは1MHzの1周期あたりの時間tはどの位でしょう。
t=1/1,000,000 (秒)
となります。
真空中を伝わる電波の速さは 3×100,000,000 (m/秒) なので、1MHzの電波が1周期進む距離Lは
L=3×100,000,000×1/1,000,000=300 (m)
この1周期進む距離を1波長といい、通常はλ(らむだ)で表します。
周波数をf(Hz)とすると
λ=3×100,000,000/f (m)
の関係式が成り立ちます。
周波数(f)と波長(λ)の関係
周波数 f | 波長 λ |
---|---|
10kHz | 30km |
100kHz | 3km |
1MHz | 300m |
3MHz | 100m |
10MHz | 30m |
30MHz | 10m |
100MHz | 3m |
300MHz | 1m |
1GHz | 30cm |
3GHz | 10cm |
10GHz | 3cm |
30GHz | 1cm |
100GHz | 3mm |
一般的な電波の呼称と用途
電波の呼称 | 略号 | 周波数 | 波長 | 用途 |
---|---|---|---|---|
長波 | LF | 30~300kHz | 10~1km | 船舶、航空機用ビーコン |
中波 | MW | 0.3~3MHz | 1~0.1km | 船舶通信、中波ラジオ、アマチュア無線、船舶航空機ビーコン |
短波 | HF | 3~30MHz | 100~10m | 国際短波放送、船舶航空機通信、アマチュア無線 |
超短波 | VHF | 30~300MHz | 10~1m | FM放送、テレビ放送、防災行政無線、消防無線、列車無線、警察無線、アマチュア無線、航空管制無線、コードレス電話 |
超短波 | UHF | 0.3~3GHz | 1~0.1m | テレビ放送、携帯電話、PHS、タクシー無線、防災行政無線、レーダー、無線LAN、移動体衛星通信、パーソナル無線、アマチュア無線、コードレスお電話、ISM機器 |
マイクロ波 | SHF | 3~30GHz | 10~1cm | 衛星通信、衛星放送、レーダー、マイクロ波中継、電波天文、無線LAN 、ISM機器 |
ミリ波 | EHF | 30~300GHz | 1~0.1cm | 電波天文、衛星通信、簡易無線、レーダー、加入者系無線アクセス |
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